皆さま、明けましておめでとうございます。2020年も本コラムをどうぞよろしくお願いします。21世紀もいよいよ20年目、その1/5を終える年になりました。先日のCOP25でも見られたように世界の環境ビジネスにとって、これまでの10年は物事の方向性を決め、その実現へ向けたルール作りを進めてきた時代だったと思います。
ルールの細部については残念ながら若干積み残された部分はありますが、大まかに言って次の10年は実績を(しかもなるべく早く)積み上げることが期待される時期になるはずです。
ビジネス的には、SDGsやサーキュラーエコノミーなど、これまで言われてきた新しい考え方を先取りして大きく伸びる会社がある反面で、石炭やプラスチックを巡る既存の枠組みに絡めとられて勢いを失う会社も出てくると思います。中には会社の存続すらおぼつかなくなる事例も出てくるかもしれません。
そういった変化を先取りするイメージの話になりますが、今最も勢いのある環境ビジネスは「メルカリ」であると説明すると、驚かれる向きがあるかもしれません。でも同社のウェブサイトには、しっかりとサスティナビリティに関する情報が開示されています。ただ、そんな部分があってもなくても、メルカリのビジネスモデルは先発の競合他社に比べて成約率や買取り価格の高さで確実に勝っており、市場シェア的には明らかに勝ち組なのです。
逆に言うと、今の時代はたとえ環境面で強く意識する理念があったとしても、メルカリのようにまずはビジネス面の成功を志向するという順序付けがなされるべきである、というふうにも読めるのだろうと思います。もう少し社会の風向きが変わってくるまでは、成功の前に環境を語るとそこで不要なレッテル貼りをされてしまわないとも限りません。やはりあくまで消費者にはメリットで選んでもらい、そのサービスが実は環境にも良かったという流れが理想なのだろうと思います。
まずは正当にビジネスの価値で評価を受け、しかる後に環境面でも万全の対応が取れている、と言い切れるような準備をしてビジネスを始めること。今後はその変化がさらに加速されると思いますが、2020年にスタートする新しいビジネスのオーナーには、さしあたりここまでの準備をして臨むことこそが成功のカギであると申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。