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コラム

2019.05.14

心がときめく「環境の魔法」とは

今や世界にその名を知られる片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんですが、その著書「人生がときめく片付けの魔法」で彼女が世界に発信したのは、持ち主の「心の持ちよう」が全てを変える、という独自性の高い考え方でした。彼女のビジネスモデルはいったいどこが優れていたのでしょうか?

彼女の考え方について、賛否はあると思いますが、結果として世界中に広まり、多くの人がその手法を実践しているのは紛れもない事実だと思います。

結果的に大きな市場を創造することにつながったそのアプローチは、環境ビジネスが世界を目指す上で大変参考になる、私はそんなふうに考えています。そのポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

1) まず、「実効性ある方法論から入る」こと。近藤さんの場合は「捨てる」こと、その際に「思い」についても納得できる方法で整理することが該当すると思います。そうすることでリバウンドしない片付けができるようになる、というロジックで、高い実効性を訴求しています。「まずはやってみよう」と思わせるアプローチです。
2) そこで、ポイントとなるのが「持ち主の心」であることを著書で解説し、妥当性を高めていること。片付けるのもちらかすのも、全て持ち主(=である読者)次第であることを納得しやすい言葉で説明しています。捨てるかどうかを決める基準も「心がときめくかどうか」という、極めて主観的なものに特化させています。客観性を排除することで、読者に対して「すべてはあなた次第」であることを説き、捨てたことについての「反芻的な疑問をシャットアウトする」ことをサポートしています。
3) 以降は、その後のリバウンドを防ぐための考え方や習慣について、事例の紹介となぜそうなのかという解説が中心で、「技術論・方法論は最初に出てきたものだけ」に限られています。

片付けは、生活習慣そのものでもあるため、難しい話は厳禁です。環境ビジネスも、言ってみれば社会全体の生活習慣に深くかかわる事業である分だけ、彼女のアプローチがヒントになる要素は少なくありません。具体的には、まず「実効性ある方法論から入る」ことで投資の成果を約束し、潜在顧客の関心を引くことができます。次に潜在顧客が自信を持って「反芻的な疑問をシャットアウトする」ことができるようなロジックを提供できれば、周囲の雑音を気にせず投資を検討してもらえることになります。さらに「技術論・方法論は最初に出てきたものだけ」に限り、考え方を繰り返し説明することで、疑念なくこちらが提供するソリューションのみを検討してくれることになるのです。

このアプローチを採用するためには、①提供するサービスが実効性の高いものであることに加えて、②サービスの背景にオリジナリティの高い哲学や考え方が伴っていなくてはなりません。一般的に日本の環境ビジネスは技術力が高いため、①についてはあまり問題がないものの、②の部分を外国人にも明示的に解りやすく説明できるという事例はまだ限られているようです。

片付けに悩み、近藤さんの考え方に共鳴した人たちが世界中で新たな顧客となりました。同様に、環境問題に悩む社会に対しても、共鳴しうる考え方を懇切丁寧に発信すること、納得してもらったうえで実践してもらうこと、その部分を持続的にサポートして行くことなどを通じれば、市場は際限なく広がってゆくのです。

もうお分かりいただけたと思うのですが、環境ビジネスのグローバル化に際しては「オリジナリティあふれる考え方」こそが、必須条件として求められる強みそのものである、ということです。逆に言うと、技術の優秀さだけを訴求する方法にはおのずと限界があり、考え方で勝負するアプローチを取らないと、新たな市場を開拓することにはつながらないのです。

技術の説明と合わせて、あなたの会社だけが持つオリジナルの考え方を、分かりやすい言葉で堂々と潜在顧客に説明してゆきましょう。それを繰り返すことで、それまで誰も開発できていなかった新しい市場への扉が開かれて行くのです。

2019.05.07

ゴールが共有できたなら

 前回は、人材不足に対応するためには経営者と従業員がゴールを共有できていることが重要で、そうなれば従業員は求められているレベル感と自分の実力の差を、むしろ自発的に埋めようとするものである、というお話をしました。

 むろんこの反応が出るためには、従業員が会社に対して否定的な認識を持っていないことが前提となります。人間は、目指すべき方向について何か嫌な感覚を持っていると、それが逆に不平不満の形で現れることもあるのですが、そもそも最初から嫌いな会社に入社したという従業員はいないはずですから、もしも小さなわだかまりなどを感じている従業員がいたら、会社側はキチンと向きあってそれを解消しておくべきなのです。今日は、そのうえで取るべき具体策の一つをご案内します。

 大学受験指導業界ではよく言われている話なのですが、「人は、人に教えることで一番伸びる」という鉄則があります。これは、単に理解しているだけの知識では人に説明するために十分とは言えず、全体観を簡潔に説明できること、知識の枠組みが整理できていること、重点箇所について分かりやすくかみ砕いて説明できること、さらに説明のためのたとえ話や事例を複数用意してあること等、説明のために必要な知識やノウハウは確実に一段上のものが要求されるためです。

 そもそも人材「不足」の状況下にあって、教えることで伸ばすと言ってもそのような機会を多く設けることは難しいのが現状だと思います。新人社員でも入ってくればその教育を任せるなどの方法があり得たかもしれませんが、それは難しい。

ではどうすれば良いのか?というお話ですが、お勧めは定期的な社内発表会の実施です。すでに社内で共有できているゴールがあることを前提に(経営目標あるいは経営理念、もしくはビジョンとかミッションとか言われるものも含めます)、ゴール達成のためのテーマを与え、そのテーマに関する課題の発掘と解決策を、従業員自らのコトバで語らせるのです。

一人ずつやらせるのが難しい場合など、本来はグループワークを設定するのが良いのですが、そうすると打ち合わせのために時間を取る必要が出てきて、働き方改革の流れに逆行する要素が出てくるかもしれません。ですので、発表会の規模をなるべく小さくするなどして、一人ずつに発表してもらうのが現実的な対応策だと思います。

発表会システムが良いのは、実施スケジュールを組むことで日時を区切れるため、締切を持って考えをまとめなければならず、これによって否応なしに変化が加速されるという効果があることです。

そうすることによって、経営者と従業員が共有したゴールに関してお互いの考え方を確認することができるので、確実に人材レベルの段差解消が進みます。従業員との間でゴールを共有し、彼らと真正面から向き合ってください。

人手不足が言われる日本にあって、環境ビジネスの分野には特に人材不足のお悩みを抱える会社が多いようです。今回お伝えしたソリューションは、私が主な支援対象としている環境ビジネスに限らず、どのような業種でも当てはまる考え方なのですが、それだけに「あとは実際にやるかやらないか」にかかっていると言えます。実施を一日遅らせれば問題解決も一日遅くなります。人材不足を克服して明日へと踏み出すための、今が最大のチャンスなのです。

2019.04.30

人材のレベル不足を補う仕掛けとは

 令和元年を迎える日本経済は、西を向いても東を見ても人手不足の大合唱です。不足しているだけならまだしも、人材のレベルが需要に追い付かず、頭数はいるのに肝心の仕事を任せられる層がごく手薄である、という経営者の悩みも深刻化の一途です。一体どうすればこのお悩みを解決できるというのでしょうか?

 人材のレベル不足は、頭数の補充と違って「とりあえず手を打てば」何とかなるという性質の問題ではありません。主に業務の品質管理面で、要求する仕事と能力の間に明らかな開きがあり、任せたくても任せられない状況が発生しているということだからです。応急的に同僚が交代でその穴を埋めたり、上長あるいはどうかすると社長が現場に立つことで何とか急場を凌いでいる、というような場合がほとんどです。

 この場合、最も合理的な選択肢は何か?経営者が考えるのは以下の3つではないかと思います。
1) 能力ある人間を雇用し、その任に充てる
2) 現在担当している人間を教育し、仕事を任せる
3) 職場の仕事をやりくりすることで、皆で分担してその仕事をこなす方法を考える

 平成の長い不況が続いた時期は、1)の方法でも人が採れたと思うのですが、もはやそういう時代ではなくなりました。

ITの普及によって、ルーティンワークを中心として部分的には3)が当てはまるケースも出てきていますが、クライアントごとに異なる個別要求への対応や業務の品質管理に関わる部分では、まだまだ人間の力が必要とされており、「皆で分担して」対応することが恒常的な残業を意味するという場合も少なくありません。令和の時代になって加速する働き方改革に逆行する解決策だ、との批判は免れないでしょう。

教育というと時間がかかり投資も必要となることから、一見回り道のように見えるかもしれませんが、実は2)が最も効率的で、最も持続性の高い解決策なのです。それを効果的に行うためはひと手間が必要なのですが、この手間を惜しむかどうかで成功の確率がぐっと変わってくるのです。前置きが長くなりましたが、今日のコラムはここがポイントです。

上の表を見てください。今日のテーマは人材のレベル不足感についてなのですが、それは「誰にとっての不足感なのか?」という点が大きなポイントになってきます。「もしかして社長ご自身こそが社員のレベル不足感を感じているのではないですか?」という問いかけにあなたはどうお答えになりますか?

その通り、と言われる方も少なくないと思いますが、それではあなたのフラストレーションは溜まる一方、片や現場あるいは本人がそれをどうにかしようという自発的な対応はほとんど取られないでしょう。

他方で、世の中には坂本光司先生の「日本で一番大切にしたい会社」のように、社員が自分の頭で考えて、日々会社のために嬉々として働く会社も確実に存在します。そういう会社は例外なく社内で「目指すべきゴール」についての情報が共有されています。

それは経営理念であったり、会社を良くするための全社的活動であったり、社員一人ひとりへの思いやりや働きかけだったと、見え方は会社によって少しずつ異なりますが、大事なことはそれを通じて会社として目指すべきゴールが経営者と社員の間に共有されていること、なのです。

ゴールが共有されていれば、社内の誰もが自分はどのような位置にいるのか、ゴール達成のために何がどう足りないのか、それを自ずと考えるようになります。なぜなら人間は誰も自分が一番かわいいから、という古今東西変わることのない鉄則があるからです。

もうお分かりだと思いますが、「ひと手間」とは、「目指すべきゴールの共有」を図ることなのです。そのうえで、社員がレベル不足を自分事として捉えることをほめてあげてください。そうすることで、少しずつ会社は変わり始めます。

レベル不足解消のための教育投資や時間は、場合によっては不可避かもしれません。がしかし、その動きは一見ゆっくりとでも自発的に進む道をたどり、副次的な効果として社員のやる気や定着率も向上するようになるのです。

次回はゴール共有後の変化を加速させるための手段についてお伝えします、お楽しみに。

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