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2020.04.07

「危機」を「変化」と読み替えられるか?

 新型コロナウィルスがもたらしたものは、日本そして世界の人類全てにとって危機以外の何物でもありません。出口の見えない自粛や世界各地で続くロックダウン、人気のない観光地、積み重ねられる死体の山の写真などが雄弁にその深刻さを伝えてくれています。

 この深刻な危機についても、それを真正面から受け止めるのが経営者の役割なのですが、乗り切るためのポイントは、それを文字通り「危機」と捉えて対策に忙殺されるか、加えて「危機」を「変化」と読み替えたうえで、さらに自社にとってプラスの面を探し出せるかにかかっています。

 危機は大変危ない要素ですが、何故危ないかと言えば予測が効かない変化が起きたり、対策の取りようがない危険が迫っているからであって、変化しない危機、あるいは対策が取れる危険については、その対策を取ることによって危機でなくすることが可能です。対策の取りようがない危険からは逃げるしかありません。では予測が効かない変化にはどう対応すれば良いのでしょうか?

ビジネスにおいて常に語られるのが「変化は商機である」という鉄板の掟です。危機の中にどれだけ商機を見つけられるか?について、少し考えてみたいと思います。

 たとえば平時におけるリスクテイクは比較的大きな決断だと思うのですが、危機に臨んだ場合はどのみちリスクを取らなくてはいけないため、多少のリスクであればむしろ堂々と取れる、というようなことはありませんか?

 普段なら絶対にありえない話だと思うのですが、戦時中は子供にまで銃火器を持たせた(そしてそれが当たり前の選択肢だった一瞬が、大変残念な事実だが存在した)わけです。言ってみれば、大きなリスクに対応するため小さなリスクは堂々と取れるようになる、というような。

 たとえばテレワークでセキュリティ上のリスクを冒す場面があったとして、平時であればそれが阻害要因となってテレワークも進まなかったかもしれません。それが今となっては、コロナウィルスのせいで信じられないスピードでテレワークが導入されています。セキュリティ上の不安も指摘されていますが、勢いは止まりそうにありません。

 変化が商機であるならば、同様の機会はごく近い所にも存在しているのではないでしょうか?今一度、目を皿のようにしてリスクの傍に転がっている変化を見つけ出してみましょう。そしてそれを商機にできないものなのかを、徹底的に考えてください。そして生き残りの策を打つ。危機の時、それこそが経営者の責務なのです。

2020.03.31

新人研修は絶対実施せよ!

コロナウィルスのおかげで、在宅勤務やシフトの見直しに追われている職場は少なくないと思います。インターネットを使った会議システムで救われているケースもあれば、現場を動かすために最低限必要な対策を四苦八苦しながら続けているという事例もあろうかと思います。工夫の限りを尽くした対応には頭が下がる思いがします。

卒業式に続いて、学校では入学式や始業式を中止する事例も増えているようですが、企業でも入社式が検討の対象になっている例は少なくないと思います。ここでお伝えしたいのは、たとえインターネット中継でもできることなら入社式と、特に新人研修はたとえ少し遅れても端折らず実施すべし!ということです。

環境ビジネスでは「現場を回してナンボ」、という業態を取っているところが少なくありません。人数を減らしても、仕組みさえキチンとしていれば現場は回ります。短期的に見るとその部分に発生する影響はある程度回避できるという例がむしろ多数なのではないかと思います。

でも、人財確保は違います。基本的には長期の取組みであるという本質を変えるべきではありませんし、派遣社員や技能実習生など短期の解決策が会社の末永い未来を約束してくれることはほぼ絶対にありません。会社の未来は、経営者が自ら仕組みを作るしかなく、その仕組みをしっかり回してくれる人財を手抜きせずに手当てすることでしか、未来は確保できないのです。

時節柄、不特定多数が集まる機会を避けなくてはいけないという制約条件はあったとしても、特定少数による新人研修については、インターネット会議を活用するなど衛生状態に気をつけて実施することにより、ぜひ経営者の思いを新人たちに伝えるべきです。なぜなら、新入社員という立場はいわば生鮮品と同じで、心からフレッシュでいられる期間はごく限られているからです。

たとえ何一つ習っていないとしても、4月に就職した新人が秋を迎えてしまえば、それだけ社会人として時間を過ごしてしまうことになるので、どうしても「ひねた新人」になってしまうのです。

その時点で何か新しいことを「初めて習う」のと「春・夏に続いて繰り返し習う」のとでは、理解度も身につき方も全く違ってきます。経営理念や社長の考え方をしっかり身につけてもらうために、どれだけ初めの研修が重要か、お分かりいただけたでしょうか?

人口減少が続く日本にあって、新卒人材はそれだけ貴重になってきています。会社の未来を確実なものとするために、なんとしても新入社員研修を実施し、そして成功させてください!

2020.03.24

少しだけ使いたい、というニーズ

 3月13日の日経MJに、ホンダが始めた新しいサブスク「ホンダ・マンスリー・オーナー」が好調だという記事がありました。中古車を1か月単位で借りられて、費用は毎月29800円、だそうです。一時的な単身赴任や家族の妊娠、あるいは通院など一過性のニーズを捉えて好評だとのこと。

 これまでもトヨタが始めた「キント」というサービスがありましたが、こちらは最低でも同じクルマを3年乗らなければならないという制約があり、好きな時に好きなだけ、というにはやや重たかったようで、最近流行の「残価設定ローン」との違いも小さく、これまでのところはあまり売れていないようです。

 オーナーシップをユーザーに渡さず、サービスとして提供するというのが元々の発想だとすると、確かに3年というのは長いです。究極はレンタカー、あるいはカーシェアなのでしょうが、そうすると予約がいちいち大変という別の手間が発生してきます。1か月単位で安く借りられるシステムは、言ってみればニッチなニーズだったのかもしれません。

 だとすると、同様のサービスで二輪はどうだろうか、あるいは自転車も対象になるのではないか、逆に軽トラや冷蔵車のニーズはないかなど、発想は広がります。たとえば旬の魚をその時期だけ出荷したいとか、刈り取り時期だけ輸送手段を確保したいという人もいるだろうと思うのですが、こんどはクルマの供給側が対応できるか?という問題になってきそうですね。

 限られた時だけ使いたい、というニーズに応えるサービスと言えば「メルカリ」で売買されている中古品もそうだと思います。あるいは古着、もしくは貸衣装もその部類でしょう。

最近「貸し〇〇」で凄いなと思ったのは「レンタルなんもしない人」という商売(?)で、人間の存在自体をレンタル化したというものでした。流石に商売として成立したかどうかまでは承知していないのですが、マンガやテレビ番組でも取り上げられていたので、ご存知の方も少なくないと思います。

これらもすべて、考え方としては「サーキュラーエコノミー」の範疇に入るそうです。資源循環、という考え方とどうつながるの?とよく聞かれるのですが、ごくごく単純に、使い回し=サーキュラーエコノミー、だと解釈しています。資源は捨てずに(もしくは死蔵させずに)使い回すという考え方ですね。モノは無駄にせず、という。よく見れば、ビジネスチャンスはこんなところにも眠っているのだという好例ですね。

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