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コラム

2018.10.09

近頃の流行:自然資本という考え方

最近、国際会議に出たり横文字のニュースを読んでいると、「自然資本」と言う考え方が流行っている事に気づかされます。これはたとえば、会社の敷地に手つかずの自然があったなら、それを価値あるものとして認めよう、技術的には価値を評価してバランスシートに載せてはどうだろうか、という考えです。

民間企業のそれ、というよりは自治体などのケースだと分かりやすいと思うのですが、たとえば北海道がバランスシートを持っていたとしましょう。北海道は企業立地も限られ、手つかずの自然も多いため、伝統的な考え方ではあまり強い財務体質とは言えなかったと思います。でもその「手つかずの自然」こそが資本としての価値を持ちうると考えるなら(短期的には観光などがそうでしょう)、それはまさに資産価値を持ちうるものとして認識できるわけで、生み出される観光収入の元手として堂々と評価して良いのではないか、という考え方ですね。

手つかずの自然は、土地がそうであるように減価償却の対象にはなりません。逆に環境汚染などの実態が明らかになったらそこで減損会計の対象にされるべきものになる、ということです。そうするとどこがどう毀損されているのかが広く公開情報として共有され、人類社会共有の自然資産を守ることにつながるのでは、という期待があるのだろうと理解しています。

議論はまだ発展途上のようで、何か会計原則的なモノが決まったわけではないようですが、こういう議論をリードするのはいつも決まって米欧のオピニオンリーダーたちです。何か起こってしまった議論に応えるばかりでなく、もっとはじめのうちから議論をリードできるように、なってほしいものです願わくば。

2016.10.12

締切に悩まされない事の悩み

世の中では、いわゆる静脈産業といわれる環境関係のお仕事をしている企業がたくさんありますが、それらと製造業など(言ってみれば「動脈産業」でしょうか)との最も大きな違いは何だろうか、と考えたときにまず思い出すのが締め切りに関する感覚の差です。「動脈産業」に属する企業は、サービス業も含めて「納期」という締切への感性が非常に高いところが多い、というか納期こそが事業の生命線だったりするパターンばかりではないかと思います。これに対して静脈産業は、収集や回収こそ日程が決まっているモノの、集めてしまった廃棄物の処理については法令順守こそ期待されているモノの、いつまでに処理すること、という納期がゆるい場合が多いのです。遅れているPCBの処理が10年後ろ倒しになったという出来事も、あるいはこのあたりの土壌に原因が?

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