最近、各種の勉強会や展示会でよくSDGsの虹色マークを見かけるようになりました。外務省のウェブサイトによると、これは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標だということなのですが、最近は大企業、特に多国籍企業の間で、あたかも一種の流行もののようによく使われている気がします。
その中身はと言えば、国際的に社会開発や環境保全を考える上で重要な17の視点と、2030年までの到達目標が掲げられたものなのですが、日本の文脈に引き直して考えると、これまでは2020年の東京オリンピックをひとつのゴールとして頑張ってきたその先がどうにも見えない中で、その空隙を埋めるちょうど手ごろな長期目標として捉えられたのではないかと見ています。
考えてみれば至極当然の話なのかもしれませんが、地球環境など具体的な課題に関する目標が多元的に盛り込まれていることも、技術をソリューションとして売りたい大企業の間尺に合うものだったのではないでしょうか。
その反面で、いわゆる静脈産業などの伝統的な環境産業についてみてみると、まだまだ理解は十分とは言えません。自社のカタログやウェブサイトにSDGsに関する標記を載せているところは、まだ決して多いとは言えない状況です。これは業種的に中小企業が多いこと、国内を主な市場としている企業が圧倒的多数にのぼることなどがその背景ではないかと思うのですが、同時に本来的なSDGsの精神である「誰一人として取り残さない」を想起するに、ぜひ埋めたい隙間であろうと思われます。
オリンピックの終了を待たずとも、むしろ世界平和を祈るオリンピックと重ね合わせるイメージで、SDGsが社会により深く浸透して行くと、持続可能な社会の建設について世界との共通言語を持てるようになるのではないかと考えています。2019年は、SDGsの普及に貢献できるような仕事をしてみたいものですが。