横につながると
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2020.04.14

横につながると

 コロナウィルス騒ぎによって仕事の仕方が大きく変わった、と言う方は少なくないと思います。典型的なのは、Zoomなどウェブ会議システムを活用した会議やセミナーで、中にはそれで飲み会を実施したという人も散見されるようです。世間の居酒屋経営者も、まさかウェブ会議システムがライバルになろうとは思いもよらなかったのではないでしょうか。

 それが飲み会であっても会議であっても、ウェブ経由だと割と簡単につながることができるのは利点だと思います。これまでのパターンだと、パーティやセミナーで出会って名刺交換したとしても、せいぜい数分くらいしか話ができず、あとから名刺を整理する段になってから「さて、誰だっけ?」と悩むことも少なくありませんでした。

 ウェブ会議システムを使った会議やセミナーになると、比較的じっくりと意見交換の場を持てるようになります。名刺を交換できないのは弱点かもしれませんが、その分メールやFacebookなどを通じたやりとりが補ってくれるので、人とのつながりを有機的なものに保っておくためには却って有効かもしれないと思っています。

 さらに良いのは同じ趣旨で共鳴できる仲間とすぐに集まれること、だと思います。先日、自社主催のセミナーを実施したのですが、6つの異なるFacebookグループから参加者があり、メーカー勤務の方、小売業の方、コンサルタント、産廃事業者、学校の先生などさまざまなバックグラウンドの方にご参加いただき、たいへん有益な知見を得ることができました。

 現在私はサーキュラーエコノミーをテーマとしてさまざまな会合に参加しているのですが、その中でひとつのモデルとして追求したいと考えているのが「動静脈連携」という取組みです。具体的な事例としては、バッテリーを巡る自動車メーカーと産廃事業者の協力関係が挙げられます。伝統的な鉛バッテリーに加え、最近ではHVやEVなどの普及とともに駆動系にもリチウムイオンバッテリーなどの先進的な蓄電装置が使われるようになってきています。特に市場投入後20年になるHVは、世界各国で廃車が出てきている段階ですが、そのバッテリーをどのように適正処理するか、さらには資源循環へと繋げてゆくかという課題は、世界中の市場で対応が求められるものです。すでに日本の大手メーカーは大手産廃事業者と具体的な取組を進めています。

 この「動静脈連携」は、他の分野にも応用することが十分可能ですが、その場合に注意すべき点として、連携をいかに持続可能性の高いものに仕上げるか、という課題があります。単にコストのみを追求してきたこれまでの取り組みと違い、資源の循環性を高め、ひいては気候変動問題を含む地球規模課題に対応することが新たな価値を生み出しているんだということを実感できるようにするということです。

 これまでの、既存の繋がりに縛られた中では意見交換の幅も深さも限られる場合が多かったと思うのですが、ウェブ会議システムで横につながることができるようになると、例えばそんな課題を解決するためのヒントも見つけやすくなるはずです。

 個人的にもこの取り組みをどんどん進めて行きます。その先に新たな価値が生まれるワクワク感を共有できたらと思っています。

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