ソーシャルグッドとビジネスの仲介役
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2019.03.12

ソーシャルグッドとビジネスの仲介役

世の中で売れているコンサルタントの多くは、高い専門性と実績に裏打ちされたユニークな守備範囲をお持ちです。私の場合もこのところ「環境ビジネスコンサルタント」という肩書を使うことが多くなりました。とはいえ、私自身は技術屋ではなく、化学に関する知見があるわけでもありません。学位も持っていませんし、関連する学会で顔が売れているわけでもありません。いわゆるハードコアの環境屋から見れば、全くもって異端児以外の何物でもないと思うのです。そんな私がなぜ、環境ビジネスコンサルタントを名乗るのでしょうか?

あられもない話をしてしまえば、「それがビジネスになるから」ということに尽きるのですが、その背景はと言えば、1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境サミットと、その成果物として世に問われた「アジェンダ21」にまで遡ります。

当時私は駆け出しの国際公務員として、アフリカ・ケニアでフラミンゴの保護に関係するプロジェクトを手掛けておりました。機会を得て、日本の民間企業から思い切って転職したのですが、担当していたごく小さなプロジェクトでも、野鳥保護に関わるラムサール条約、さらにはアジェンダ21に連なる環境保護の動きの末端に位置づけられることを日々感じながら仕事をしておりました。

その後テーマや向け先は変わっても、この流れは止むことなく、国連に関わる仕事では継続的に環境関連の事案を手掛けることになりました。自ら意図したわけではないのですが、結果としてコンサルタントとして独立してからも圧倒的に環境に関わる仕事が多くなっています。だったら分かりやすい肩書の方が良いだろう、ということで冒頭のように「環境ビジネスコンサルタント」という肩書を使うようになったわけです。

国連が国際社会全体に対してビジョンを提供するという動きは、その後21世紀に向けて採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」で本格化したと思います。しかしながらこの段階ではまだ途上国がその主な対象とされた分だけ、日本国内での知名度も低く、ビジネスセクターとの関わり合いも限定的なものでした。それが2015年の「持続可能な開発目標(SDGs)」で先進国を含む全ての国連加盟国が対象となるに及んで、急激に国内でも関心が高まり、ビジネスとの接点が出来てきたことが大きいと思います。

このコラムでも触れたことがありますが、SDGsは企業にとってもビジネスを通じた社会善(ソーシャルグッド)の提供について公的な色彩を持つ評価軸を与えてくれるというメリットがあり、最近では大企業ならずとも経営指針としてSDGsを採用する動きが顕在化しています。

そのような流れの中で、20年以上に渡って世界の動きを日本の枠の外から定点で観察してきたこと、国際社会が目指しているものを皮膚感を持ってお伝えできること、更には国際社会でビジネスチャンスを模索するために求められるポイントなどを、オリジナルの方法論でご指南できる点が私の強みなのだろうと思っています。

ソーシャルグッドの提供を海外でのビジネスにつなげるには、いくつかの切り口があります。SDGsはその一つに過ぎず、向け先によって複数の切り口を組み合わせて戦略を作り上げるのが効果的です。関連する法律や条約はもちろんのこと、ISOなど社会が求める品質基準も重要な切り口となります。最先端の動きで言えばネットで拡散されるような社会問題そのものも、ソーシャルグッドの美点を訴求するための手掛かりになりえます。

それらのポイントをバランスよく組み合わせて、グローバル展開のための戦略作りをサポートすること、それがすなわち「環境ビジネスコンサルタント」として私が提供していることなのです。言ってみればソーシャルグッドとビジネスの仲介役、ということですね。

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